知識・豆知識 2025年11月02日 👁 54 views

バーボンとスコッチの違い|味わい、製法、おすすめ銘柄を徹底比較

ウイスキーを選ぶ時に必ず目にする「バーボン」と「スコッチ」。同じウイスキーなのに何が違うの?産地、原料、製法から味わいまで、この2つの違いを分かりやすく解説。初心者におすすめの銘柄も紹介します。

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ウイスキーに興味を持ち始めると、必ず出てくるのが「バーボン」と「スコッチ」という言葉だ。

どちらもウイスキーなのは分かるが、具体的に何が違うのか。この違いを知ると、ウイスキー選びがグッと深くなる。

15年以上この世界にいるが、この2つの違いを理解することが、ウイスキーの奥深さを知る第一歩だと思う。

■ 産地の違い|文化が生み出す個性

最も分かりやすい違いは、作られている場所だ。

バーボンはアメリカのケンタッキー州を中心に造られる。ケンタッキーを訪れた時、マスターディスティラーがこう言っていた。「この土地の石灰岩層が、バーボンに最適な水を生み出すんだ」と。

アメリカ南部の温暖な気候が、バーボン独特の力強い味わいを生み出している。約95%はケンタッキーで生産されているのも頷ける。

一方、スコッチはスコットランドで造られる。スコットランドの蒸留所を巡った経験から言えば、スコットランドには厳格な法律があって、原料から製法、熟成年数まで細かく規定されている。

スコットランドの冷涼な気候と豊かな水が、スコッチの繊細な味わいを作り出すのだ。

■ 原料の違い|味わいの本質

味わいの違いを決める最大の要因が、原料だ。

●バーボンの原料
バーボンはトウモロコシを51%以上使うことが法律で定められている。実際には70%以上トウモロコシを使うことが多く、これがバーボン特有の甘みとコクを生み出している。

残りは大麦麦芽、ライ麦、小麦などをブレンドする。このマッシュビル(原料配合)の違いが、各蒸留所の個性を生み出すのだ。

●スコッチの原料
スコッチは基本的に大麦麦芽(モルト)が主原料。シングルモルトの場合は100%大麦麦芽だ。

スペイサイドの蒸留所を訪れた時、職人が「大麦の品種、水の硬度、ピートの量。すべてが味わいに影響する」と教えてくれた。大麦由来の繊細な香りと複雑な味わいが、スコッチの真髄だと思う。

■ 樽の違い|時間が刻む味わい

熟成に使う樽も大きな違いの一つ。ウイスキーは時間を味わう飲み物だ。

●バーボンの樽
バーボンは内側を焦がした新しいオーク樽での熟成が義務付けられている。新樽を使うことで、樽から強い香りと色が移り、バーボンらしい濃厚な味わいとカラメルのような甘い香りが生まれる。

この法律により、バーボンで使い終わった樽はスコットランドに運ばれてスコッチの熟成に使われることが多い。ある意味、バーボンとスコッチは兄弟のような関係なのだ。

●スコッチの樽
スコッチは使用済みの樽を使うことが一般的。バーボン樽の他、シェリー樽やワイン樽なども使われる。

古樽を使うことで、ウイスキー本来の繊細な味わいを保ちながら、樽由来の複雑な風味を加えていく。この技術が、スコッチの多様性を生み出している。

■ 味わいの違い|哲学の表現

これまでの違いが全て味わいに反映される。

●バーボンの味わい
バーボンは甘くて力強いのが特徴だ。バニラ、カラメル、トフィーのような甘い香りと、トウモロコシ由来のクリーミーな口当たり。

少しスパイシーさもあって、飲みごたえがある。アメリカの開拓精神を感じる力強さがある。

●スコッチの味わい
スコッチは繊細で複雑な味わい。蒸留所や地域によって全然違う。

一般的にはフルーティーな香り、花のような繊細な香り、そしてモルト由来の穀物っぽさがある。スモーキーなものもあれば、ハチミツのように甘いものもある。

10年以上この業界にいるが、スコッチの奥深さは尽きることがない。

■ 初心者におすすめの銘柄

●バーボン初心者向け

・メーカーズマーク(3,000円前後)
バーボン入門に最適だ。赤い封蝋が特徴的で、柔らかくて飲みやすい。小麦を使っているので、ライ麦を使う他のバーボンより優しい味わいになっている。

・ジム・ビーム(2,000円前後)
世界一売れているバーボン。バニラとカラメルの甘い香りとスムーズな口当たり。コストパフォーマンスも最高で、家に常備しておきたい一本だ。

●スコッチ初心者向け

・グレンフィディック 12年(4,500円前後)
シングルモルト入門の定番。洋梨のようなフルーティーな香りと優しい甘み。スペイサイドらしいクセの少なさが、初心者に最適だと思う。

・ジョニーウォーカー ブラックラベル(3,000円前後)
ブレンデッドの代表格。スモーキーで深みがあって、スコッチらしい味わいを手軽に楽しめる。

■ どっちを選ぶべきか

甘くてしっかりした味わいが好きならバーボンだ。ハイボールにしても存在感があって、コーラで割っても美味しい。力強さを求める人には、バーボンが合うと思う。

繊細で複雑な味わいを楽しみたいならスコッチ。ストレートやロックでゆっくり味わうのに向いている。奥深さを探求する楽しみがあるのが、スコッチの魅力だ。

もちろん、両方試してみるのが一番だ。バーボンとスコッチ、どちらにも素晴らしい銘柄がたくさんある。

同じウイスキーでも、作られる場所や原料が違えば全く別の飲み物になる。それがウイスキーの奥深さであり、楽しさなのだ。

K

健太郎

ウイスキーの製法や歴史に詳しいライター。

更新日: 2025年11月02日

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